144 全員強キャラ思考で行く

今の時代、対戦ゲーをプレイするにあたってキャラランク表を目にしないことは最早あり得ない。誰がどう見ても強い、環境とされるキャラを容易に知れるのは素晴らしい。

 

ところで、強いキャラが紹介されているならば当然弱いキャラも表に掲載されている。弱いとされるキャラは、よっぽどでない限り、大抵このようにコメントされている──『ウザい連携こそ持っているが、対策さえしてしまえば多くの行動の効率が悪化する』。強いとされるキャラは対策をしてもなお効率が良いから強キャラである。

 

このような情報が視界に入りつつ、ランクマにキューを入れる。

”弱キャラ”とマッチングし、漏れ聞こえてくる攻略情報を意識しつつ対戦が始まるが、知識があるだけでは抵抗が難しい、一定以上の錬度が求められる連携を受け敗北していく。が、しかしあまり気にならない。対策するなら強いキャラを優先するべきだし、俺このゲームまだあんまやりこめてねえし、多分強キャラを意識してやりこんで地力が上がれば、副産物的になんかちょっと弱キャラ相手にもいい感じになるだろう。

 

本当にそうか?

 

もちろんそんなことはない。

 

最近、「○○はやり方さえわかれば誰でも達成/対応できる」的言及を疑問視する意見を見かけた。一握りのゲームエリートではないくせに、ゲームエリートが提出する情報に身を委ねすぎている。

 

自分の軟弱さゆえの悪循環に陥らないよう、少なくとも一定以上ゲームに習熟するまでは強キャラ/弱キャラという区分は捨て去り、”全員強キャラ”と意識するようにした。もちろん別にそれ自体が客観的な真実ではないし、実際に熟練者が理論値や実戦値を吟味したとき、確実に弱いキャラ、少なくとも強くないキャラはあらわれるのだけれど精神的雑魚たる俺は”弱い”と聞いてしまうと後回しにしてしまうので仕方ない。

 

”○○は弱い”という認識を持っていると向き合い方がボけがちだが、”○○は強い”と捉えると引き締まる。”○○の連携は一見強いが、重大な穴がある。そこを突かれると弱い”系の情報を見かけたら、後半部分は無視する。すなわち、”○○の連携はかなり強力である”ということだ。特定の対処法を知り、なおかつそれを確実に実行できなければ苦戦を強いられるキャラ──すなわちそれは強キャラである(念の為書いておくが、効率の良い/強い行動と効率の悪い/”弱い”行動への対処を放棄するわけではない。強キャラと認識するからこそ対処法を模索する意識がはたらく)。

 

乏しいセンスを無尽蔵のプレイ時間で補うことが難しい現在、僅かでも時間ごとのプレイの質を上げようと考えたら、ヘンな思考だろうと投入していくしかないのが悲しいところだけれど、こんな意識でも抱かなければ真剣な攻略の検討に至ることすら難しくなってきている。意志薄弱なカスによる悪あがきは続く。