113 愚かな者が語ること

ぼーっとtwitterを眺めていたら、けいちゃんが神園さんのミナに破壊されたというツイートが目に飛び込んできた。しかも本人によれば、30連敗以上を喫したとか。

 

ハッキリ言って神園さんはけいちゃんよりかなり実力が上なのは間違いない。それでもミツルギvsミナというマッチアップ、そしてけいちゃんの実力を考えるとそこまで負けたのは何か大きな問題があるんだろうと思い、おせっかいにも声をかけた。向こうもアドバイスが欲しかったらしく、シェアプレイによるリプレイ再生で試合内容を見せてもらった。

 

リプレイを眺めながらけいちゃんに口頭でアドバイスしたのだが、その後の彼のツイートを見るとあんまり上手に伝えられていなかったようなので、テキストに起こした。改めて文字で読むと自分の不甲斐なさに刺さる点もあり、こんなブログを見るようなモノ好きゲーマーにとっての何かの材料になるかもしれないと思い、ここに掲載することにした。

 

 

ここからがその内容となる。テーマはシンプルで、何故けいちゃんはそこまで処られたのか。リプレイを見る限り、中距離からけいちゃんがミナに触りに行く過程は、ほとんど以下の3つが起点になっていた。

 

・前ステガード

・66AA

・横移動33K

 

これらの行動についてそれぞれ見ていきたい。

 

・前ステガード

→中段置きをガードして一度ターンをミツルギ側に移すためのセーフティな選択肢だが、やりすぎると逆択の餌食orミナ側横移動から視認で空白戦orミナ側が黙って連続バクステして仕切り直しになってしまう。

 

・66AA

→上段だからミナ側がwsBや6Bを置いたり、22Bをぶっぱなしたら終了する。ミナが横移動してたらたまにカウンターする程度の存在感(よっぽど有利から振らないとステしゃがされたらwsB+Kで終わり)。

 

・一瞬横移動33K

→起きを潰すために打つなら前ダッシュ33Kが鉄板だが、恐らく手癖で横移動33Kを入れ込んでしまっているのが致命的。何か根拠があってやるならいいのだが、ミナ戦でこれを手癖にするのはかなりマズい。まず横ステではなく横歩きを入れ込んでいることになるため、ミナのAABや6Aをそのまんまカウンターでくらう。そして22BやwsBをスカしていた場合も、結局入れ込んだ膝がノーマルヒットするだけで終了する。リスクリターンが終わってる。

 

これら3つの行動自体はそれぞれかなり優秀なのだが、ミツルギ側がほとんどこの3つしかやってこない場合、中・長距離キャラのミナ側が出す答えは当然、『置き技を出すか横移動してりゃいいじゃん』になってしまう。

 

ざっくり言うと選択肢の数が足りていないし、そもそも最悪の手札がその中のメインに入ってしまっているわけだから、結果として各種行動の効率が非常に悪くなっている。当然神園さんは効率の悪い選択肢に対し最適な対応を意識するので、余計に効率差が開いていき、常にリスクリターン差が2倍~3倍の試合状況に終始するという内容になっている。連敗するのも仕方がない。

 

例えばけいちゃんは、神園さんが毎回膝にアッパーやCEを入れてくる、反応速度やべえ!と言っていたのだが、そりゃほぼ膝しか打ってないんだから膝読みで待たれて最大をかぶせられるのはおかしくない、こっちの選択肢を増やさない限り相手の意識配分を乱すことはできないっすよね、という説明になった。

 

他に俺が主にコメントした内容としては、

 

・ミナに触りに行くとき、横ステされても割とごまかせて置きもつぶしやすい6Bや66Bを混ぜる等して選択肢を増やすなどしなければ、プレッシャーは与え辛い。

 

・ミナ相手の横歩きはリスクが高い。どうせ横に歩くなら膝ノーマルでは意味がないから、できる限りスカ確は最大を返したい。アッパーを覚悟しながら投げや下段を読んでしゃがんだ時と同じ。

 

・常時3すくみの"攻め"で走りきるのは効率が悪いので、毎回前や横に走って技を打ったりガードするのではなく、6Aなどがchしないタイミングでバクステ・横ステでの様子見を混ぜたほうが良い

 

こういうハナシをしつつ、結局どれをガードしたらどれが入るとかはあくまで前提知識に過ぎなくて、それをもとに戦い方を考えて組み立てることが本番であり、ただああすればいい、こうすればいいとかではなく、要所で『何のために、何故このやりとりが行われるのか』を検討しなければ躓きやすくなってしまうので、考え方から考える習慣を身に着けるのがいいのではないか、というのが一番伝えたい内容だった。

 

が、俺のコミュニケーション能力不足もあり、けいちゃんの意識はどちらかというと細かい内容へのアドバイスに集中してしまったようだ。

 

昔ザンギさんにゲームとは関係ない場面で頂戴した言葉で言い換えると、要は「効率厨になれ」ってことなんですけど、何かを要約して伝えようとした場合、本当に咀嚼してほしい部分が伝わらないこともあるのでゴチャゴチャ書かせてもらった。

 

最後に懺悔をしたいと思う。けいちゃんにアドバイス後、ミナで対戦してみたら、若干の改善は見られたがまだまだそういった意識を定着させるには練度が必要そうな試合内容で、割と俺が身内ノリで煽っていたこともあり、対戦後に「対インファイトはそこまで悪くない。けいちゃんはきっと長物が苦手なんだよ」というヌルいフォローを入れてしまった。

 

純真なけいちゃんが悪意なく「俺はただ長物が"苦手なだけ"なんだ!」と認識してしまった場合、俺は求められたアドバイザーとしての役割を裏切り、彼の成長を阻害してしまったことになる。すまんけいちゃん。アレはただお茶を濁しただけの言葉だった。

 

考え方から考え直し、そして学ぶということさえできれば、どんなキャラにも向き合い方を考えられるようになるはずだ。不詳さわづまもあまりのキャリバー6の世紀末的な連携の数々に思考放棄してしまう瞬間があったりするが、ゲーム的に攻略していく余地は無限に残されている。対戦ゲーマーの抜け殻のような宙ぶらりんの状態に陥ってはいるが、何か材料があって、それについて考えている時は少しモチベーションが出たりもする。ゲームのプレイングについて考えることはきっと面白い行為のはずだ(じゃないとこんなブログ書いてないし)。

 

精進しましょう。