(鉄拳雑記)『面白い鉄拳』を求めて

俺は格ゲーマーテキスト好きおじさんなところがあって、「あばれ塾」はもちろん、鉄拳を開始する前からMASTERCUP関連のインタビュー記事が好きでよく読んでいた。

 

中でも群を抜いて面白いのは、やっぱり古水さんと福士さんの2人の対談記事。コアゲーマーの骨太な主張に茶番要素が味付けされており、なんか絶妙にちょうどいい。

特に好きなのはこのインタビューなのだけれど、今読み返してもいろいろハッとさせられる箇所があり、特に心に波紋を生み出したのは、韓国プレイヤー(Knee,JDCR)についてのコメント。

 

以下にそのやりとりを引用します(問題になった場合、打診あり次第消去します)。

 

 古水:学ぶべきところが多いと思います。段位戦になっちゃうからKNEEと対戦できるプレイヤーは限られてましたが。かなり計算された鉄拳だと思いますし、今の関東の主流となるスタイルだと、KNEEには勝てないと思いますよ。
フクシルス:今作は場面場面でリターンの取れる技が多いから、今の関東の読み合いはそういうのに頼る部分が多くなっちゃって、ブツ切りな鉄拳になっちゃってるかもな。そういう点では長期戦になればなるほど、KNEEのスタイルと相性はよくないだろう。ただ、とても情報量の多いゲームだがら、選択肢から選択肢へ有機的なつながりを作る試合ができるってのは普通じゃない。KNEEがハンパじゃないやりこみをしていることの証左と言える。
古水:関西のスタイルと戦ったらどうなるかはわからないですけどね。ただ、あそこまで「対応&作曲」を繰り返すような鉄拳をするのもどうかと思うんです。淡々と、勝つだけみたいな。
フクシルス:じゃあJDCRはどうだろう?
古水:あいつは鉄拳に対して偏見を持ち過ぎなんですよ。潔癖症。リスクを負わないにも程がある。リスク負わないとつまらないし、最強にはなりえないと思いますよ。鉄拳楽しいのかなー?
フクシルス:プロゲーマーというのはそこまで関係あるんだろうか。
古水:「勝つのが楽しい」ならKNEEも楽しいんでしょうが、あれもちょっとね。何時間もやって3試合だけとは言え、負け越しちゃってるから強く言えないんですけど。JDCRにもKNEEにも鉄拳の楽しさを教えてあげようかな。俺が勝ってから。

(引用元:)

「他の誰が負けても、俺が、俺達が負けない」日本最強レイ使い古水と謎の覆面鉄拳プレイヤーエル・フクシルスインタビュー | MASTERCUP

 

韓国のトッププレイヤー達の特徴として、「可能な限りリスクを排したプレイングをする」という点が挙げられているのだが、それに対して「そもそも、そういう風にプレイする鉄拳って楽しいの?」という問いかけがなされているのが非常に興味深い。

 

もともと対戦ゲームでは、ちょっと情報を調べると「こうすれば勝てる」「最適な攻略法」「実践向けコンボ」「最強キャラランク」「あなたが〇〇するための〇〇の方法」など、特定のスタイルに拘らず、ストレートに勝ちを追及するような攻略情報がヒットしやすい状態だったが、いちおう10年以上対戦ゲームをプレイしている身としてはハッとさせられる問いかけだった。

 

インタビュー内にもあるようにゲームへのスタンスはプレイヤーによって異なるので、「俺はこう思う」的な方面にはこの記事では踏み込まないけれど、それぞれ別個のスタンスを持ったやつらが、全然違う考え方してるやつらが共存していて、しかも競い合える環境を生み出してくれる対戦ゲームって懐が広いなあ。などと、しみじみさせられた。

 

最適行動と最楽行動のバランスは、個人的に考えてみたらもっと楽しくゲームできそうだなと思いました。

 

(今回、『鉄拳の』雑記って感じじゃないな....)